実際に「旅館業許可」申請をほぼ自身で対応してみた!許可申請を時系列に沿った流れ、必要な知識や連携、注意点解説します!

今回貸別荘オープンに向けて一番大事な「旅館業許可申請」を可能な限り私自身で対応してみました。
専門家にお任せが一番早く、正確にできることは分かっておりましたが、できる事は自分でまずやってみたい精神なので時間はかかりましたが無事取得できました。
苦労しましたがノウハウを手に入れたことを今後に活かして行きたいですね!
許可申請の流れ、申請準備のためたくさんの方々にサポートいただく必要もあったので、本記事が参考になりましたら幸いです!
旅館業申請について

まずは旅館業「簡易宿所営業」に必要な許可は1つです!(最低限必要な許可)
「旅館業について(許可)」を取得する!
簡易宿所営業する地域の保健所に申請することで取得することができます。
※保健所管轄区域案内はこちら!
温泉利用もあればこちらも許可が必要なので必要書類を旅館業とともに申請する!


旅館業申請から許可取得までの大まかな流れ
※参考例として熱海保健所の場合となります、、、

消防法令適合工事の現地調査や設置工事、消防、保健所の立入対応などスケジュール次第ですが
申請書類の事前準備できていれば約1か月ほどで旅館業許可証取得は可能だと思います。
申請書類に必要な情報収集、図面作成をできる限り早く行うことが重要です!
スケジュール読みづらいポイントは
・消防法令適合工事
・保健所の立入(忙しいときは1か月以上先の日程になるケース有)
では大まかな流れは下記となります!
1、保健所にて事前相談と確認(そもそも営業可能なエリア、建物なのか?)
・申請書類一式を事前に入手し記載事項を把握すると手間が減ります
※申請書類一式は保健所でまとめて入手も可能です(もちろんWebでも)
2、消防法令適合するための工事実施(消防設備を揃える)
・この工事は命にもかかわるので火災警報器製造販売業者に依頼しました
・特定小規模施設用火災報知設備⇒工事自体は1日もあれば完了します
※特定小規模施設用火災報知設備については下記にて解説
3、消防法令適合申請⇒消防の立入検査
・工事に合わせて申請業務も依頼(書類作成には知識がかなり必要)
・消防の立入検査時に適合通知書発行日がある程度分かりますので
発行日に合わせて保健所の立入日を決めるとスムーズです!
・消防の立入検査後遅くとも1週間程度で通知書発行
4、消防法令適合通知書を取得⇒保健所にて正式に旅館業申請
・本来は適合通知書を添付して旅館業の正式申請となります!
・早く開業したいケースなどは要相談ですが、
保健所にて旅館業申請時に○月○日までに消防法令適合通知書を取得可能
⇒〇月〇日以降に立入日を調整したい!
と依頼するのも可能なようです!
5、保健所の立入検査
・保健所にて旅館業申請時に立入日時を決めます
※熱海保健所の場合ですが下記チェックが入りますので準備を!
・寝具(ベッド)×宿泊人数
・くず入れ 各部屋に設置
・脱衣かごor棚
・監視カメラ
・チェックインシステム(実際に模擬チェックインする場合もある)
・温泉成分掲示確認
6、旅館業許可証取得⇒営業スタート
・保健所立入後7~14日以内に旅館業許可証が発行されます
各申請書類の解説!
旅館業申請書類、消防法令適合通知、温泉利用申請書類

旅館業申請書類、消防法令適合通知、温泉利用申請書類について詳細を解説出来れば良いのですが保健所のスタンス、物件の構造により必要書類内容が異なりますので、詳しく知りたい方は是非お問合せください!
ざっくりですが各申請で必要な書類解説は下記となります!
✔まず書類一覧に多い項目である地図・図面の作成について
自身または設計士さん等に依頼で作成するかと思いますが下記項目を図面に網羅すると良いです!(参考までに私が申請した際の図面は下記写真)
・施設の概要(マイソクなどの物件情報)
※規模(階数)、構造(木造)、用途(住宅)、延床面積、設備など
・所在地と敷地周辺地図
※敷地から300m以内の主な建物
※敷地から100m以内に学校、幼稚園、福祉施設等がある場合はその距離明示
・各階平面図(1/100以上)
※配置図(家具家電、設備などの配置)
※無人チェックインの場合は設備(システム)、カメラの設置位置など明示
※水道水使用の場合は水道メーター位置を図示
※温泉利用の場合は浴槽位置、容積、配管状況の図示
※温泉水を加熱する場合は加熱装置(給湯器)と浴槽を含んだ配管経路図示
※温泉成分等を掲示する場所


✔旅館業申請に必要な書類一覧
・申請手数料:22,000円
・申請書
・法人の場合:定款など
・建築確認通知書の写し
・建築物検査済証の写し
※上記2つの建築関連ですが築年数や所有者変更などで紛失しているケース有
旅館業申請では上記二つについて「理由書」を提出することで免除
・消防法令適合通知書
※保健所立入時までに入手でOKな場合もあり
・水道水使用証明書又は水質検査成績書
※水道水使用の場合は水道メーターの位置を平面図に記載でOK
・地図
営業用施設の敷地から300m以内の主な建物を明示した略図
営業用施設から100m以内に学校、幼稚園、福祉施設等ある場合は
その距離を明示した地図
・配置図
非対面チェックインシステムの場合、設備を図示
従業員が旅館施設に常駐しない場合、ビデオカメラ、連絡手段(電話等)を図示
・各階平面図(1/100以上)
・循環ろ過装置等を設置する場合 その概要書
※給湯器などの型番でOK
・衛生管理に係る計画書
・管理者等従業員の事務所から旅館までの地図
従業員が旅館施設に常駐しない場合
従業員が事務所から駆け付けるルートを示した地図添付
従業員が駆け付ける際に使用する交通手段・要する時間・距離を明示
(google map可)
※要する時間、、、簡易宿所営業:10分以内、民泊:30分以内
✔温泉利用許可申請に必要な書類一覧
・申請手数料:35,000円
・温泉利用許可申請書
・地図(施設の所在地を明示した案内図)
※旅館業申請時の地図でOK
・源泉地等から施設までの配管経路・概要(口径、材質等を明示した物)
※温泉供給事業者からの供給を受けている場合は事業者に問い合わせ
・各階平面図
※旅館業申請時の地図でOK
※温泉利用する浴室の位置、浴槽の容積、配管状況を明示
・法人の場合:定款など
・温泉を使用する資格を証するもの(温泉使用契約書など写し)
・循環ろ過装置、加熱装置等を設置する場合はその概要書
※給湯器などの型番でOK
・温泉法第15条第2項各号に該当しないものであることの誓約書
・温泉成分等の掲示届
・温泉分析書の写し
※10年以内に分析したもの(温泉供給事業者が持っています)
・温泉成分等を掲示する場所を明示した図面
✔消防法令適合通知書交付申請について
建物・構造により細かい基準・対応が定められているので個人で全てを実施、申請は困難かと思います。
工事に関する届出は資格が必要なので、工事に加えて申請等もお願いするとスムーズです!
まず建物の規模や設備にかかわらず下記は必須です。
・自動火災報知
・誘導灯、誘導標式
・防炎物品の使用
(カーテン、ロールカーテン、カーペットや絨毯は2㎡以上から)
その他弊社施設の場合は下記申請書類となりました。
・工事整備対象設備等着工届出書
※消防設備士の有資格者が行う必要あり
・消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書
・防火対象物使用開始(変更)届出書
・適合通知申請書
以上まで実施し下記取得して完了です。
・検査済証
・適合通知書
少し余談ですが、、、
弊社のログハウスの物件(簡易宿所営業)ですが3階建ての規模など様々な規定で自動火災報知設備の設置が義務付けられておりますが、要件を満たせば「特定小規模施設用火災報知設備」での設置が可能となります。
通常の自動火災報知設備は受信機(本体)、感知器(センサー)、音響装置(ベル)等を設置して配線する方式。
一方、特定小規模施設用火災報知設備では無線連動型感知器を使用することにより配線不要・受信機不要となり自動火災報知設備と比較して導入コストや維持、管理費などが大幅に圧縮される特徴があります!弊社ログハウス物件では約35万くらいで工事+申請を実施できました、、、。
貸別荘の収益にも影響する部分なので物件選びの際に特例申請可能か把握できるとベストですね!
特小適用されるためには「消防用設備等に関する特例の適用申請」する必要があります。
要件は下記になります!
1、地階を含む階数が3以下であること
2、延べ面積が300㎡未満であること
3、3階又は地階の宿泊室の床面積の合計が50㎡以下であること
4、全ての宿泊室の出入口扉に施錠装置が設けられていないこと
5、全ての宿泊室の宿泊者を一の契約により宿泊させるものであること
6、階段部分には、煙感知器を垂直距離7.5m以下ごとに設置すること
7、特定小規模施設用自動火災報知設備は156号省令第3条第2項及び第3項の規定により設置すること
逆に上記をクリアできなければ有線式の自動火災報知設備を設置する必要があります!
特に5の「一契約により宿泊させるもの」については一棟貸だからクリアできる項目ですね!
まとめ

旅館業営業を開始するまでにクリアしなければならない項目を解説しました!
消防関連は資格が必要なケースもあり今回はスピードも重視していたので依頼しました、、、
その他の申請に関しては自身で調べ、関係各所から資料を集め、記載内容については保健所の担当者はもちろん図面を作成いただいた設計士さんなどにサポートいただきながら進めて行きました!
一度申請を行うと次からは手順やスケジュール感が把握できるので効率上がるかなと感じてますが、初めての場合はほぼスムーズにいかないので、余裕を持った営業開始スケジュール(2~3か月程度)を設定することが大事です。
旅館業許可を取得できた時はとてつもない充実感がありました!が目的は貸別荘営業スタートですのでさらにもう一踏ん張りしなければならず、、、。
私はほぼ専業に近い状態で申請や立入に対応できましたが、他に本業などある方は長期的な営業開始スケジュールを設定するか申請業務を委託することになりますかね!
熱海市周辺(伊東や湯河原含む)で貸別荘事業を検討されている方は是非弊社までお声がけください!
実体験をベースにサポートできます!今回お力添えいただきました設計士さん、消防関連対応会社などご紹介することも可能です!貸別荘事業に精通した方々ですので!
旅館業申請にかかわらず、弊社でも1から貸別荘事業をスタートしており、まだまだ微力ですが大きなネットワークを作ることができましたので是非一緒に盛り上げて行きたいなと!!!
お問い合わせや相談など気軽にご連絡ください!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
ブログの内容についてご意見・ご感想、リクエストなどございましたら
是非コメントいただけますと嬉しいです!可能な限りお返事しますので…
mailto:info@yoshii-kikaku.co.jp


プロフィール////////////
吉井寛(YOSHII YUTAKA) 1977年5月生まれ
株式会社吉井企画 代表取締役
ジョンソン・エンド・ジョンソンの製薬部門など医薬情報担当者(MR)で営業畑23年。
転勤族:札幌・福岡・沖縄・東京・千葉・栃木・福島で生活
会社員時の不動産投資経験から仕組みを理解し、いつかはMEGA大家を夢見る。
45歳:突然の退職勧奨(クビ)となり、今後の人生について1年近く放浪。
不動産事業で「起業」を決意。
46歳:宿泊施設「貸別荘」を中心とした事業で起業
2024年中に3つの貸別荘スタート予定
4月:【熱海SAKURAテラス】オープン
8月:【The Villas~atami log cottage】オープン
11月:【The Villas~atami amazing ocean view~】オープン予定