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お知らせ

退職後にやるべき手続きとは 「失業給付、ハローワークの流れ」編

今まで給与明細にて何度も見てきた「雇用保険」。初めて給付申請する立場となりました。
実際に約8か月間受給していた時に戸惑ったことも(特に最初と最後)多々ありました。

「受給までの流れ」「いつからもらえるのか?」「給付金額の認識」「求職活動とは?」…
など事前に知っておくと心構えでき、効率も良くなると思います。

私の場合を具体的な例としてお話しします。大事なポイントもありますので是非確認を!

STEP1、事前準備


「離職票を受け取る」


離職後、20日くらいすると離職した会社から

・「雇用保険被保険者 離職票1」「雇用保険被保険者 離職票2」
・再就職援助計画対象労働者証明書

が送られてきます。

【POINT!】
離職票を受け取れないと何もスタート出来ないので、遅い場合は離職した会社に問い合わせしましょう。また連絡がつかない、どうして良いか分からない場合はご本人の住所地を管轄するハローワークに問い合わせしましょう!https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/index.html


STEP2、求職の申込みをする


会社から交付された「離職票1,2」「再就職援助計画対象労働者証明書」を持参して、ご本人の住所を管轄するハローワークへ行き、求職の申込みをします。

【POINT!】
求職の申込み(離職票提出)をする「曜日」がとても大切です!基本的に28日毎に「認定日」が設定され、毎月(28日毎)同じ曜日にハローワークへ行くことになります。

(下記写真)
私は比較的「水曜日」が動きやすかったので、申込日(離職票提出)を水曜日(4/26)にして申込みに行きました。
赤丸の日付確認!基本的には変えられないので注意してください!

給付制限の「なし」「あり」により「待機7日」か「待機7日+2か月」となる。
上の写真より、最初の給付が5月24日になるか7月19日になるか…影響は大きい…

これは離職の理由により給付日数や給付制限が異なるため
⇒本人があらかじめ失業に備えることが出来たかどうか、やむを得ない理由だったかどうか

①特定受給資格者・・倒産、事業所の廃止、解雇、希望退職の募集等⇒給付制限なし
②特定理由離職者・・雇止め、正当な理由のある自己都合等⇒給付制限なしの可能性高
③一般の離職者・・定年、自己都合、懲戒解雇等⇒給付制限あり

離職理由の判定は最終的に退職者の居住地を管轄する公共職業安定所で慎重に行われる


なぜ待期期間に違いがあるのか?

失業給付は給付目的の安易な転職を防ぐため、転職などで自己都合で離職した場合、待期期間の7日間に加え、原則2か月間は受給できないという制限が設けられている。

ただ2023年12月に再来年度から厚労省がこの給付制限を2か月⇒1か月へ緩和する方針を出されましたね!

「安心して転職活動を行える環境を整え、成長産業への労働移動を進めようと、厚生労働省は自己都合で退職した人への失業給付を1か月前倒しして、退職後1か月余りで受け取れるよう制限を緩和する方針」


STEP3、受給資格の決定


離職票の提出と求職の申し込みをすると、ハローワークは、基本手当の受給要件を満たしていることを確認した上で、受給資格の決定をします。また、このとき、離職理由についても判定されます。

基本手当の受給資格が決定したら「雇用保険受給者説明会」の日時(5月16日)が案内され、「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されます。
下記写真です。70ページ弱のバイブルです(笑)



STEP4、待期期間7日が満了


待期期間とは、受給資格決定日(4月26日…離職票を提出し求職の申込みを行った日)から通算して7日間のこと。この期間は「失業の状態」であり、ハローワークが「申請者本人が退職をしているか?」「申請後も本当に就労していないか?」など調査している様です。

給付制限なしの場合
待期期間7日経過の翌日から基本手当の支給対象となる

給付制限あり
待期期間7日経過に加えてさらに2か月経過後の翌日から基本手当の給付対象



STEP5、雇用保険受給者説明会に出席


案内された日(私は5月16日)に雇用保険受給者説明会に出席します。
説明会は「職業講習会(20分)」「雇用保険説明会(70分)」で実施されます。
この職業講習会は求職活動実績の1回にカウントされます!

求職活動実績は後述しますが、受給するためには必須で活動する必要があります!

給付制限なし…初回認定日(私の場合は5月24日)までに1回の求職活動が必要 
       ※職業講習会でOK
       以降は次回の認定日(28日後)までに2回の求職活動が必要

給付制限あり…最初の受給日となる2か月後(7月19日)までに3回の求職活動が必要
       以降は次回の認定日(28日後)までに2回の求職活動が必要


また、この説明会時に「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が交付されます。
この2つは毎月の認定日に必ず持参するものですのでなくさない様に!(下記写真参照)


STEP6、給付日数と基本手当(失業手当) 
勘違いポイントです!


私はこの基本手当について誤解しておりました。前職給料の7、8割と聞いていたので…
しっかり理解(計算)した上で就職までの活動期間を検討しましょう!

まずは給付日数です。
・【定年、自己都合退職、懲戒解雇の方】
・【特定受給資格者・暫定的に一部の特定理由離職者】
で異なります。

【定年、自己都合退職、懲戒解雇の方】最大で150日



【特定受給資格者・暫定的に一部の特定理由離職者】最大で330日


私の場合は、45歳で特定受給資格者に該当し被保険者期間は20年以上のカテゴリーでしたので上記表の給付日数「330日」となりました。

この「給付日数」は実はかなり重要です。
再就職した際の「再就職手当」に影響します!


ちなみに再就職手当とは…
失業手当の受給資格を満たしている人が、早期に安定した職業に就いたり、開業したりする場合にもらえる手当のことです。※「早期」にとは…給付日数の残が1/3以上のこと。

支給残の日数 ✖ 給付率70%(60%) ✖ 基本手当 = 再就職手当
 ※支給残日数が支給日数の2/3(給付率70%)、1/3(給付率60%)以上ないと
  再就職手当はもらえません
  私の場合は330日なので110日以上支給日数が残っていればもらえる計算

この手当は待期期間(7日間)が完了した段階で発生しますので再就職や起業する方は待期期間完了後に行動しましょう!これは給付制限期間中でもOKです!


一番気になる「基本手当」について…いくら受け取れる?


下記stepで計算します

❶、賃金日額を計算する
❷、❶で求めた賃金日額に所定の給付率を掛けて基本手当日額を求める
❸、上記❶,❷で求めた基本手当日額にさらに上限と下限がある!

❶ 賃金日額を計算する


基本手当日額=離職前の6ヶ月間の給与合計額 ÷ 180(日)× 給付率
※給与には通勤手当や役職手当などの各種手当は含まれるが、賞与(ボーナス)は含まれない

【POINT!】
・基本手当は前職賃金(月給)の7~8割程度と勝手に認識しておりましたが、かなり異なります!

⇒離職日の直前6ヵ月に毎月支払われていた賃金(賞与は除く)の合計を180で割って算出した賃金日額の45〜80%です。 45〜80%のうち、どの%(給付率)が適用されるかは年齢や賃金日額で変わってきます。

賃金日額には上限下限があるため、上記の計算式で求めた金額が上限額を上回る場合には上限額を、下限額を下回る場合には下限額を賃金日額とします。

賃金日額の上限と下限(2023年8月時点)


❷上記で求めた賃金日額に所定の給付率を掛けて基本手当日額を求めます


基本手当日額 = 賃金日額 × 50〜80%

*1:離職時の年齢が60〜64歳の場合は11,300円
*2:離職時の年齢が60〜64歳の場合は80〜45%
*3:離職時の年齢が60〜64歳の場合は45%


❸最後に上記❶,❷で求めた基本手当日額×給付率での上限、下限額は下記となります(2023年8月時点)※毎年8月1日に日額が変更されます


【POINT】
例えば「50歳前後の役職も給与も高かった」方の場合(月給100万円)

基本手当日額=離職前の6ヶ月間の給与合計額 ÷ 180(日)× 給付率
ですので…


賃金日額の計算
100万×6ヶ月÷180日=33,333円
ですが、離職時年齢が50歳なので賃金日額の上限の16,980円となる


給付率を計算
16,980円の給付率は50%ですので8,490円となります。


高収入で、一番手厚い45~59歳でも基本手当の最高額は8,490円です…
1か月の基本手当金額は8,490円×28日=237,720円 となります。

月収100万の方でも23万強です…元の月収の1/4以下の給付額です…注意!
※極端な話し、月収1億の方でも最高で23万強となります…


STEP7、求職活動


ハローワークの職業相談を利用するなどして、新しい仕事を探します。

「求職活動したら実績として報告し、基本手当の支給を受ける」が基本的な流れです。
逆に基本手当の支給を受けるためには客観的に確認することが出来る仕事探しをしなければならない。

では何回の求職活動実績が必要なの?

原則として前回の (失業)認定日から今後の(失業)認定日の前日までの期間中に2回以上行うことが必要とされている。毎月2回は活動しないと働く意思がないと思われても仕方ないですよね…

次の職業に就くために求職活動するので、基本的に回数は問題にならないと思いますが
求職活動実績として認められる求職活動のみカウント対象です。

例えば…下記が求職活動実績にカウント出来ます

  1. 求人に応募した
  2. ハローワーク(船員雇用促進センター)などが行う職業相談・職業紹介などを受けた
  3. ハローワーク(船員雇用促進センター)などが行う各種講習・セミナーを受講した
  4. 許可・届出のある民間機関(民間職業紹介事業所・労働者派遣事業所)が行う職業相談・職業紹介などを受けた
  5. 許可・届出のある民間機関(民間職業紹介事業所・労働者派遣事業所)が行う求職活動方法などを指導するセミナーなどを受講した
  6. 公的機関(高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社)などが行う職業相談などを受けた
  7. 公的機関(高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社)などが行う各種講習・セミナー、個別相談ができる企業説明会を受講・参加などした
  8. 再就職に資する各種国家試験、検定などの資格試験を受験した    など


私の場合は2のハローワークが行う職業相談6の公的機関が行う職業相談を毎月1回づつ
計2回を求職活動実績として認定日に報告しておりました。

新聞・インターネット、ハローワークなどで単に求人情報を閲覧したとか、単に知人に紹介を依頼したなどは、基本手当が支給されるための求職活動実績と認められません。

求職活動実績としてカウントされるか分からない…当初は不安になりましたが私は下記2回で対応しました。

・1回はハローワークの職業相談担当者を決め、毎月認定日の後にアポイントを取得
 毎月の認定日にハローワーク⇒そのままハローワーク相談員と面談
  (来月の認定日に合わせてアポ取のルーティンを作りました)

・1回は公的機関の職業相談担当者を決め、認定日と認定日の間に毎月アポ、またはセミナーに参加


ただし下記については注意をしてください。

・ハローワークで職業相談をした場合は、受給資格者証にゴム印をもらってください
・講習・セミナーを受講した場合は証明書を、検定等を受けた場合は、受験票を持ってきてください。
・ハローワーク以外で相談を行ったり、自分で求人に応募された場合は失業認定申告書にその内容を記載してください。証明は不要ですが、調査を行うことがあります

色々と方法があるかと思いますが、ハローワーク職業相談担当者は必ず決めるべきです。
職業相談だけではなく、不安なことを一緒に解決してもらえるパートナーになるからです!



STEP8、再就職(起業)

無事再就職(起業)出来ましたら再就職(起業)に対する給付金として、再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当などを申請できる場合があります。

【POINT】
原則、離職前の雇用主から再雇用は、再就職に該当しないため支給の対象外となります。
また、離職前の会社と資本関係など関わりのある会社も同様に対象外ですので、注意!



1、再就職すると受給できる「再就職手当」

STEP6で解説したが、早期に再就職した場合に受給対象となるのが、再就職手当です。

【POINT】
下記厚労省が定めた8つの条件を「全て」満たす必要があります!
受給手続き後、7日間の待機期間満了後の再就職または事業開始であること
失業手当の支給残日数が、3分の1以上残っていること
再就職先と前職との間に、密接な関わりがないこと
ハローワークまたは人材紹介会社経由で決定した再就職先であること
再就職先で、1年を超えて勤務することが確実であること
雇用保険に加入していること
過去3年以内に、再就職手当や常用就職支度手当を受給していないこと
受給資格決定前に、再就職先での採用が内定していないこと

【POINT】
この再就職手当については「起業」の場合も支給対象です!
私は「起業」でしっかり再就職手当を申請し、無事もらうことが出来ました。

が…起業を検討している方はちょっと下記注意してください!

何をもって「起業」したと判断されるか?(給付終了日時)

私の場合は「定款作成日」でした。
11月末にハローワークに起業報告や給付止めの手続きを実施
11月末までの給付金がもらえると思っていたが、定款作成日が起業を決意したと判断され11月中旬までの給付となっていた。


注意:とりあえず定款だけ作成しておいて1,2か月後に会社設立…この場合、もしかしたら定款作成日まで遡っての給付期間になるかも…



2、前職より賃金減少したら「就業促進定着手当」

再就職はしたものの、前職より賃金が下がってしまった場合に受け取れるのが就業促進定着手当です。離職前の賃金の1日分の額に比べて低下している場合、給付を受けられる。
※残念ながら就業促進定着手当については「起業」の場合対象外!

以下で説明する条件に当てはまる場合に受給できます。
3つの条件は全てに該当することが必要です。

・再就職手当の支給をすでに受けている
・特定の条件で6カ月以上雇用されている
・前職の賃金を下回っている


以下の計算により賃金低下額を求めて、再就職後6カ月間の賃金の支払い日数となった日数をかける。
給料制の場合は暦日数、日給月給制の場合は基礎となる日数、日給制や時給制の場合は労働の日数

(離職前の賃金日額-再就職後6カ月間の賃金の賃金の1日分の金額)×支払い基礎日数


ただし上限額がありますので下記計算し実際にもらえる金額を確認しましょう

上限額=基本手当日額×支給残日数×40%(再就職手当の給付率が70%の場合は30%)




3、常用就職支度手当


基本手当(失業手当)を受給中の就職困難者が再就職した時に支給される手当です。
再就職手当は基本手当(失業保険)の残日数が1/3以上必要ですが、
常用就職支度手当は3分の1未満でも支給の対象!となります。

ただし対象者は、就職した日に「満45歳以上」または「障がいや就職困難者」となります。
給付残日数が1日以上であれば申請可能ですが再就職手当より低くなります。


計算式は給付残日数により下記3種類となります。

基本手当(失業保険)の支給残日数が90日以上の計算方法
基本手当(失業保険)の日額× 90 ×40%

基本手当(失業保険)の支給残日数が45日から89日未満の計算方法
基本手当(失業保険)の日額×支給残日数×40%

基本手当(失業保険)の支給残日数が(1日以上)45日を下回る場合
基本手当(失業保険)の日額×45×40%



STEP9、まとめ


最終的には5月から約8か月ほど失業給付、12月に起業して再就職手当を受給しました。
この間に知り合いから良いお話もいくつかいただきましたが、やはり私の信念でもある

同じ行動を繰り返しながら違う結果を望むこと、それを【狂気】と言う

残りの人生どの様に生きていくか?給付や手当によりじっくり考える時間が作れました。

ハローワークの職業相談員、民間職業相談員のお二方には就職 or 起業で厳しいアドバイスもいただきましたが、おかげで覚悟を持って起業の決断が出来たと思います。

やはり失業した時の「お金」はとても大事です。再就職まで長引けば貯蓄も大きく目減りし、焦り、決断にブレなど精神的な負担は計り知れないと感じました。


私の失業給付経験を中心にお話ししましたが、再就職に向けての不安以外の要素が少しでも軽減し、しっかり社会資源(失業給付等)を活用して次に向けて力を使っていただければ幸いです!

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